青空。午前中は風もなく練習にもってこいの日でした。
「そうは言っても午後になると風が出てくるからよ。今のうちにみっちり練習しよう」
空を見上げて監督がつぶやきました。

 

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一塁ベースの「駆け抜け」と「オーバーラン」の練習。
駆け抜けは一塁を越えたと同時に振り向くことを忘れない。
オーバーランは手前で外側に膨らんでコーナーをスムーズに回るんだね。

バッティングは先週の成果を発表する場……とならないにしても,みんな平日忘れずに練習しているのが,フォームの随所に表れていた。これは大事なこと。

ヒロトは相変わらずバットにボールが当たらない。 監督・高屋コーチ・しげコーチ総出で多角的に診断しました。効果を見せたのは,しげコーチとのトスバッティング(野手と打者のキャッチボール)。ミートポイントとバットの軌道を確認しながら,意識のズレを調整しました。

ナオユキは,まず監督と目を見て会話するところから。
とはいっても,どんどん上達している。締めのノックで監督とマンツーマンになれるのは,すごーく誇り高いこと(あのぶつかり稽古は,がんばってない選手にはやってくれないよ)。

監督「まだ腕を伸ばして捕ろうとしているんだよ。そこをもう一歩行って正面で捕るんだよ」
次々にやってくる難題に心折れ,思わず地面を蹴るナオユキ。
監督「なにか言いたいならはっきり言ってくれよ」
ナオ「……」
しげコーチ「言わねえとはじまんねぇぞ ナオ」
ナオ「……」
山岸コーチ「早く打て!って思ってるんだろ? 言っちゃえよ!」
反応するナオユキ。大人目線でも子ども目線でもない,山岸コーチの背中の押し方がいい。

 

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やれることをやる

試合が始まりだすと,監督が何度も選手に投げかける言葉。
今は,選手一人ひとりが自分のやるべきことを見つけて,身体にどんどんしみこませる時期なんだ。
「できることを実戦でおもいっきり試す!」そんなチームになってほしいなあ。

高島監督の根性ノックを最後まで受けて「ありがとうございました!」
颯爽とベンチに戻るナオユキの姿が……脳裏をかすめた。