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ファイブスターズ011002
国分寺サンダース33012Xcold9
ピッチャー:そら
キャッチャー:ひろと
二塁打:ゆうあ

サンダースは一小の学童を中心に三小と七小の子も所属する合同チーム。
そんなこともあって放課後,一小の野球仲間が三小エリアのユウアの所に訪ねて来ることがある。

先日はヒロトがやってきた。案内人は何度か来たことがあるダイチ・タイヨウ兄弟。
六年生が下級生を従えての訪問は何度かあったけど,どうもその曜日がヒロトと合わなかったらしい。

そもそも練習中,ユウアとヒロトの間でそんな会話があること自体,想像しにくくてなんだかおかしい。たぶんおにぎりをほおばりながら,あるいは外野ノックで並んでいるときとかに,二言三言ぶっきら棒な約束が交わされるのだろう。

なんてことはない,わが家に来た4人は,はしゃぎながらwiiuとボードゲームをひとしきりやった後,外で鬼ごっこして帰って行っただけだ。
でもなんと言うか,気になるものにアポを取り,テリトリーの外へ自らの足で訪ねていくという行為の尊さを見たような気分にもなった。
こいつらはこうやって少しずつ自分の世界を広げていくんだろうなあ……と。

 
遠くのものを近くに感じるということ

今回のファイブ戦は,まさにそんな出来事だった。
訪ねる度にその扉は開くことなく来た道を引き返すばかりだった。でもその向こうに用があるんだとノックし続けた。
今日その重い扉が鈍い音を立てて開き,新しい世界に踏み出した感じ。

 

2014年5月,戸倉球場で行われた「Cチーム春季大会決勝戦」で逆転負けを喫して以来,ファイブスターズに勝つことが,選手の間で暗黙の目標となっていた。
サンダースで野球をするということは,その物語を背負うことであり,正面から向き合わねばならない宿命とさえ言えた。(勝負の世界って厳しいねえ。だから面白い!とも言う)


なかなか勝てないファイブ戦。その間ファイブは市内の常勝チームとして王者の風格を漂わせ,どんどん遠い存在になっていく――。
でも,しつこく追い続けた。
そして今日,やっと追いついたんだ。


ここまで来るのに,たかだか2年間と言うなかれ。当時の写真(クリックすると懐かしい映像が!)と今を比べて驚愕!
両チームともずいぶんお兄ちゃんになっちゃって!!
子どもの時間感覚……侮り難し!

試合終了の合図とともにホーム前に集合した両チームの選手たち。
思わずソラが男泣きした。
ファイブの選手たちの眼差しは(その理由を解っているから)なんだか優しかった。

 

ファイブスターズ戦 総評――●神田コーチ

やっと勝てた、そら。
思えば2年前、低学年での春の大会の決勝戦。対戦相手は今日と同じファイブスターズ。その試合のファイブスターズのメンバーもほとんど今日と同じ。決勝戦ではそらは一生懸命投げてた、3点リードしてた、にもかかわらず自分のミスが引き金となってファイブに初得点を許し、そこから投球リズムをくずして大逆転され優勝を逃してしまった。それ以来、ファイブスターズにだけは何度やっても勝てなくなってしまった。

今日、そのファイブスターズにやっと勝つことができた。試合に勝った瞬間のそらをみたとき、この2年間だれよりも重い荷をずっと背負ってたんだなって気づいたよ。いつも飄々としてる裏側で、自分のせいで負けてしまったんだってずっと思い続けてきてたんだな。そんな呪縛から解き放たれたんだな。だから今日の勝利は誰よりも思いが深い。よくやってくれたよ。

しかし、あともう1試合勝たないと念願の金メタルは手に入らない。まだまだ気は緩められない。そしてそのあとはもっと勝ち続けていかなければいけない。もっと重い荷を背負っていくことになるかもしれない。けれど、そこにはもう呪縛はない。

これからはもっと野球を楽しめ。みんなで金メタルぶらさげて、朝礼で校長先生に褒めてもらえよ。

午後は引き続き二小でジュニアキングスと練習試合!
どこか誇らしげなサンダーストレイン! そして“切り込み隊長”ダイスケの投手デビュー!!
みんなでワイワイ楽しみました!